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Europas Mitte um 1000 [Early Middle Ages]


Alfried Wieczorek & Hans-Martin Hinz(hrsg.)
Europas Mitte um 1000.
Beiträge zur Geschichte, Kunst und Archäologie, 2 vols., 2000, 998 S.
Katalog, 2000, 547 S.

Bind 1
Europas Mitte um 1000, von Alfried Wieczorek, Johannes Fried, & Michael Müller-Wille

1: Moderne Nationen und ihre Vergangenheitsbilder

2: Antikes Erbe und christliche Tradition

3: Slawen und Ungarn in Europas Mitte
3.1 Länder und Landschaften um 1000
3.2 Siedlung und Wirtschaft
3.3 Wirtschaft und Kommunikation
3.3.1 Handel und Verkehr
3.3.2 Multiethnische Handelsplätze
3.3.3 Münzwesen und andere Formen der Währung
3.4 Die Ungarn im Kontakt mit Byzanz und dem römisch-lateinischen Imperium
3.5 Die Westslawen - Nachbarn des römisch-lateinischen Imperiums
3.6 Mährisches Reich

4: Die Formierung der Mitte Europas
4.1 Böhmen
4.1.1 Herrschaftzentren und Herrschaftsorganization
4.1.2 Die Christianisierung Böhmens
4.1.3 Die Premysliden und Böhmen
4.2 Polen
4.2.1 Herrschaftszentren und Herrschaftsorganisation
4.2.2 Die Christianisierung Polens
4.2.3 Die Piasten und Polen

Bind 2
4.3 Ungarn
4.3.1 Ungarn und die Arpaden
4.3.2 Herrschaftszentren und Herrschaftsorganisation
4.3.3 Die Christianisierung Ungarns
4.4 Heidnische Reaktion: Slawen and Elbe und Ostsee
4.5. Ottonische Politik un der Mitte Europas
4.5.1 Expansion und Mission
4.5.2 Slawen und Deutsche
4.6 Otto III. und die Erneuerung des Römerreiches

5: Neue Erbe: Nationen in Europas Mitte
5.1 Kulturelle Gemeinsamkeiten
5.2 Kulturelle Vielfalt und nationale Identität
5.2.1 Dynastien- und Nationenbildung
5.2.2 Dynastische Heiligen und Landespatrone
5.2.3 Herrschaftszeichen und nationale Identität

6: Ausblick

Quellen
Literatur
Autoren und Übersetzer des Handbuchs
Topographisches Register
Namensregister historischer Personen, Heiliger und Gottheiten
Bildnachweis

* * * * * * * * * *

ドイツに限らず、大陸は文化的催事の際に巨大なカタログを出版する。それも最前線の研究者が監修し、その後の研究で引用されるにふさわしい内容の論文を寄稿する。カタログといっても、単なる図版集ではなく、学術書としての役割も果たしている。これらを日本の図書館が購入することはまれである。もちろん美術史学の研究史が美術展のカタログを買うのは当たり前なのだが、歴史学が歴史文化展のカタログを買うのも当たり前になってくれればいいのにと思う。定価で買うとかなり高いのだが、ドイツの場合、展覧会が終われば現地の新古書店で二束三文とまでは言わなくとも(たまにそういうこともあるが)、半額程度で売られている。

「紀元千年前後のヨーロッパ中部」は、欧州評議会(Council of Europe)の後援を受けた第27回欧州評議会芸術展示である。2000年から02年にかけて、ブダペシュト、クラクフ、ベルリン、マンハイム、プラハ、ブラチスラヴァを巡回したこの巨大な催事は、紀元千年というヨーロッパ史においては長らく等閑に付されてきた時代の相位を明らかにしようとした、おそらく最初の機会である。収録された考古遺物、建築物、写本等を通じてみる紀元千年像は、ある種の混乱期ではあるにせよ、かつて言われていたような「暗黒の時代」ではなく、その前後の時代とは異なる文化相をもつ時代であることが分かる。巻頭に各国の受容史を論じた章があり、歴史像は創られていくものだということがよく分かる。企画編集にはハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ドイツの錚々たる考古学者や歴史家が参加しており、歴史家としてはフランクフルト大学のヨハンネス・フリートが目を引く。ドイツ語圏におけるこの時代のリーディング・スカラーだが、残念ながら日本では翻訳もなく、殆ど紹介されていない。
Johannes Fried, Die Formierung Europas 840-1046(Oldenbourg Grundriß der Geschichte 6). München, 2 Aufl. 1993(1 Aufl. 1991), viii+302 S.

10世紀のドイツ・オットー朝の勃興とともに、東方と北欧は国家形成へと向かい、それ以前のヨーロッパとは随分異なる姿をとる。スカンディナヴィア人による二度目の西ヨーロッパ襲撃もこの時期であり、ヴァイキングの活動はやはりヨーロッパ規模で考えなければいけない現象である。ソーヤーは経済現象に重心を置いていたが、それと同時に政治の枠組みも仕切りなおさなければならないように思う。変動は北海側と地中海側双方でおこり、それが12世紀の国家群の叢生につながっていくのだろう、多分。内陸部ではなく、海縁諸国からヨーロッパ大陸の動きを見直してみる事も必要かもしれない。

本書には英訳もあるが、どうも図版がないらしい。図版のないカタログ。売れるのか。

ヨーロッパ滞在中、この展覧会を見ようと、ベルリンを訪れたことがある。2002年の夏であったか。ホームページをみて十分会期に間に合うと思い、ポーランドのポズナニから夜行に乗ってベルリンに向かった。で、開催場所であるはずのマルティン・グロピウス・バウに行ったのだが、そんな幟は立っていない。ホームページをよく調べると「2001」年であった。私のベルリン滞在はたった一泊であるが、いやー、このときは本当にまいった。俺は国際列車に乗ってまで何をしに来たのか。仕方がないのでそのかわりに、ユダヤ博物館と技術博物館を見てきた。ユダヤ博物館は警備が物々しかった。「鎮魂の間」だっただろうか、印象的な空間があった。しかしどの博物館でも人が話しかけてくる。いずれも観光コースには入らない箱物とはいえ、東洋人が珍しいわけでもなかろうに。ルーブルやテイト・ギャラリーでもそうだった。汚い格好をしているから犯罪予備軍とでも思われたのだろうか。一泊した後、クラクフに向かった。


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