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Les peuples scandinaves au moyen âge [Medieval Scandinavia]


Lucien Musset
Les peuples scandinaves au moyen âge.
Paris: PUF, 1951, 342 p.

Avant-propos
Observations sur les langues scandinaves

Ch.1 La Scandinave primitive
Ch.2 L'époque des Vikings
Ch.3 Les sociétés scandinaves jusqu'à la fin du XIIe siècle
Ch.4 L'entrée du monde scandinave dans la chrétienté(IXe-XIIe siècles)
Ch.5 La Scandinave occidentale au XIe siècle
Ch.6 Les Étas scandinaves du XIIe au XIVe siècle
Ch.7 La civilisation scandinave à la fin du moyen âge
Ch.8 La Scandinavie au temps des Unions
Épilogue

Bibliographie générale
Index rerum
Table des souverains scandinaves
Table des cartes

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1921年生まれの著者はカン大学名誉教授。2004年にこの世を去った。本書の出版は1951年。著者30才のときに公刊されたことになる。父は同じカン大学で教鞭をとったルネ・ミュッセ。ブルターニュやノルマンディ等フランス北西部地誌学の第一人者である。
René Musset, La Normandie. Paris: Almand Colin, 1960, 220 p.

その後ミュッセはルーン学のマニュアル(1965)、二巻からなる民族移動期の通史(1965)、ノルマンディ公の証書集をまとめ、最後にバイユー・タピストリの研究書(1989)を上梓した。スカンディナヴィアの遺産が遍在するノルマンディにこだわり続け、文献史料だけではなく地名学や考古学にも深い関心を寄せた。病身をおして地方雑誌に健筆を奮う、ヨーロッパ的視野を備えた稀有な地方史家であった。

本書は才気が迸る書である。現在、北欧中世の通史といえば、英語によるソーヤー夫妻のものか、独語によるカウフホルトのものがあるが、一冊の勢いという点においてはミュッセに及ばない。1951年以降改定されていないので、研究現状に合わない内容はままあるし、そもそも盛期中世から後期中世にかけての記述はそれ以前と比べて相対的に薄いといわざるを得ない。それでも本書は今でも読む価値を失っていない。ブルクハルトやホイジンガと同じく、古典であり芸術作品である。

代表的な論文は、

Lucien Musset, Nordica et Normannica. Recueil d'études sur la Scandinavie ancienne et médiévale, les expéditions des Vikings et ka fondation de la Normandie(Studia nordica 1). Caen: Société des études nordiques, 1997, 415 p.

に収録されている。ただし、ここにない重要な論文も少なくない。

現在ノルマンディ研究の中心は、カン大学付属ミシェル・ド・ブアール・センターである。所長のロラン以下、ミュッセの弟子たちであろう。ミシェル・ド・ブアールも、フランスが生んだ偉大な中世史家の一人である。

写真はロロとウィリアム征服王を図案とした切手。ジャージと書いてあるが、英仏海峡に浮かぶ島のことだろうか。アングロ・ノルマン研究の立役者ル・パトゥーレルはこの島出身であった。
John Le Patourel, The Norman Empire. Oxford: Clarendon Press, 1976, vii+416 p.


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