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Herredømmet over Sønderjylland 1375-1404 [Medieval Denmark]


Esben Albrectsen
Herredømmet over Sønderjylland 1375-1404. Studier over Hertugdømets lensforhold og indre opbygning på dronning Margrethes tid.
København: Den danske historiske Forening, 1981, 366 s.

I. Indledning
II. De hostenske grevers erhvervelse af Hertugdømmet og lensforholdet til Kongeriget
1. Overgang til holstensk styre 1375-86
2. Schauenburgsk len 1386-1404
III. Fyrster og stormænd i Sønderjylland
1. Landsherrerne
2. Den holstenske adel
3. Hertugmagtens forvaltning
4. Hertugmagten og Slesvig bispedømme
5. Hertugen og landet i 1397
IV. Afslutning
Ekskurs I. Jylland, Sønderjylland og Slesvig
Ekskurs II. Arven efter Segebod Krummedige og Sidsel Pedersdatter Skram
Ekskurs III. Adelens rolle ved ordningenaf Hostens forhold i 1390
Ekskurs IV. Tre mænd med navnet Wulf Pogwisch ca. 1375-1400

Bilag(Kildemateriale)
Bibkiografi og forkortelsesliste
Zusammenfassung
Register
Stamtavler
Kort

* * * * * * * * * *

著者は1937年生まれ。いまはコペンハーゲン大学の名誉講師。かつて国立文書間に奉職した中世南ユラン史の専門家。私が滞在していたときは中世デンマーク史の概説を担当していた。本書はドイツ語で要約が付されている。著者が現在のドイツ領を対象としているため当たり前と言えばそうなのだが、ある席でトーア・ニューベリは「今はドイツ語で書いたって北欧人は誰も読んでくれない」とぼやいていた。だから英語で書くのだという。北欧でドイツ語は既に学術語としても機能しなくなりつつある。デンマークは戦前と戦後でガラッと文体が変わる。私はそれを詳しく知る者ではないが、おそらく教育システムと基盤教養の変容にその原因がある。

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン史はドイツ地域史としての呼び名であり、デンマークでは南ユラン史と呼ぶ。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、デンマーク風に読めばスレスヴィ・ホルステンであり、近代ナショナリズムの髄である。地名学や人名学を駆使して御当地の「デンマーク性」を主張する書き物はそれこそ無数にある。

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン史の基本は、当該地域史研究の本山ノイミュンスターのヴァッハホルツ社から出ている「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン史」の該当巻であろう。
Herbert Jankuhn, Die Frühgeschichte: Vom Ausgang der Völkerwandrung bis zum Ende der Wikingerzeit(Geschichte Schleswic-Holsteins 3). Neumünster: Karl Wachholtz, 1957, 274 S.
Walther Lammers, Das Hochmittelalter bis zur Schlacht von Bornhöved(Geschichte Schleswic-Holsteins 4-1). Neumünster: Karl Wachholtz, 1981, 436 S.
Erich Hoffmann, Spätmittelalter und Reformationszeit(Geschichte Schleswic-Holsteins 4-2). Neumünster: Karl Wachholtz, 1990, 517 S.

随分と息の長いシリーズである。第3巻の執筆者であるヘルベルト・ヤンクーン(1905-90)はヴァイキング都市ハイタブ(ヘゼビュー)のモノグラフで語り継がれる大考古学者である。ただし彼はアーネンエルベに関わった褐色の知性でもあった。
Herbert Jankuhn, Haithabu: Ein Handelsplatz der Wikingerzeit. Neumünster: Karl Wachholtz, 8 Aufl. 1986, 260 S.

この第8版が決定版であるが、1937年の初版の副題は「Ein Handelsplatz der Wikingerzeit」ではなく、「eine germanische Stadt der Frühzeit」である。

写真はデンマークとドイツの国境にあるフレンスブルク。1864年まではデンマーク国フレンスボーであった。実はMGHの創設者の一人ゲオルク・ヴァイツ(1813-86)の故郷である。いまは『ドイツ制度史』と『ダールマン・ヴァイツ文献目録』ばかりで知られる彼は「アンスカリウス伝」を校訂し、シュレスヴィヒ・ホルシュタインの通史を物した。故郷にとっての激動の時代を経験した「デンマーク人」ヴァイツに踏み込んだ伝記を、私は見たことがない。

デンマーク国立図書館でドイツ語の本を開くと、時折フレンスブルクの書店の値札が挟まっていた。関税がかかるのを避け、わざわざフレンスブルクの書店を通じて購入しているのかもしれない。無駄を省くというのはこういうことを言うのである。


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