SSブログ

Boken om Ansgar. Rimbert: Ansgars liv [Sources in Latin]


Eva Odelman(trans.)
Boken om Ansgar. Rimbert: Ansgars liv.
Stockholm: Proprius förlag, 1986, 240 s.

Förkortningar och förklaringar
Introduction

Rimbert: Ansgars liv
Noter till "Ansgars liv"

Fem perspektiv på Rimbert, Ansgar och Ansgarstraditionen
- Rimbert som ärkebiskop och författare, by Carl Frederik Hallenkreutz & Eva Odelman
- "Ansgars liv"som helgonbiografi, by Anders Ekenberg
- Ansgar som munk, by Alf Härdelin
- Rimbert, Sverige och religionsmötet, by Carl Frederik Hallenkreutz
- "Ansgars liv" och Ansgarsminnet i Sverige, by Sven Helander

Kommenterad bibliografi
Kronologisk tablå
Personregister
Geografiskt register
Sakregister
Bibelcitat

* * * * * * * * * *

本訳書で重要となるのは、付録として付された5本の論文である。それぞれ「大司教と執筆者としてのアリンベルト」、「聖人伝としての『アンスガル伝』」、「修道士としてのアンスガル」、「リンベルト、スウェーデン、宗教の出会い」、「『アンスガル伝』とスウェーデンにおけるアンスガルの記憶」と題され、スウェーデンにおけるカトリック系の研究者が執筆。

古い英訳(1921)はウェブで公開されている。しかしこの英訳は問題が多いので、新訳が出ると聞いたことがある。担当者はリーズ大学のイアン・ウッド。しかしその後、予定にもあがらないし話も聞かないので、立ち消えになったのかもしれない。

ピカルディに生まれ、コルビーで教育を受けたアンスガル(801-65)は、初代ハンブルク司教。826年にデーン人の王ハーラル・クラックがルイ敬虔帝のもとで洗礼を受けたのを契機として、皇帝より北方世界の宣教を依頼される。829年と59年の二回にわたり、デンマークとスウェーデンを中心に宣教の途へとついた。二度目の旅行の際には、ハイタブ、リーベ、ビルカといった商業中心地にキリスト教徒のコミュニティを確認しており、12世紀まで異教世界と認識された北欧世界も、おそらく商業ネットワークに乗ってキリスト教の波に洗われていたことが理解される。つまり、初期中世の北欧を、エッダに描かれる観念を誰もが共有していた異教世界と単純に理解するのは誤りであり、ヨーロッパ文明との接触の中で、地域特性を確立していったことを銘記しなければならない。後世の史料に安易にのる遡及的発想法は、歴史学にとって一片の価値もない。

アンスガルのまとまった研究は、私の知る限りない。論文はそこそこ出ているが、多くはドイツの地方雑誌や献呈論文集に収録されており、収集は面倒くさい。アンスガルの時代は、カロリング帝国の目がザクセンを超えた世界へと広がる、ヨーロッパ史にとって大変重要な時期であるだけに、もっと注目されてもよい。王権の拡大と宣教政策をリンクさせて論じたのが、
Ian Wood, The Missionary Life. Saints and the Evangelisation of Europe 400-1050(The Medieval World). Harlow: Longman, 2000, 309 p.

第6章がアンスガルを扱っている。『アンスガル伝』を執筆したリンベルトに関する研究も出てきた。
James T. Palmer, Rimbert's Vita Anskarii and Scandinavian mission in the ninth century, in: Journal of Ecclesiastical History 55(2004), p. 235-56.

著者はロザモンド・マッキッタリックの教え子。修士論文の改訂版。北欧語の文献は利用していないが、大陸に残る史料は網羅している。そのほかに、
Katholischen Akademie Hamburg(hrsg.), Rimbert der Nachfolger Ansgars. Hamburg: EB-Verlag Hamburg, 2000, 98 S.

アンゲネントも寄稿する。

写真はアンスガルのイコン。どこのものとも知れないが、ネットで拾った。しかしイコンがあるということは、正教圏でも崇敬されているということなのだろう。


nice!(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。