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Geschichte der Runenforschung [Runes]

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Gerhard Jaffe
Geschichte der Runenforschung. Geistesgeschichtliche Betrachtung der Auffassungen im 16.-18. Jahrhundert.
Berlin & Leipzig: B. Behrs Verlag 1937, 127 S.

1. Einleitung
Teil A: Runenstudieum aus Liebhaverei
1.Kap.: Erste Nachrichten über die Runen
2.Kap.: Wiedererweckung der Runen
3.Kap.: Anfänge wissenschaftlicher Runenforschung (Olaus Worm)
4.Kap.: Worms Nachfolger
5.Kap: Patriotischer Uebereifer
6.Kap: Zusamemenfassendes Ergebnis der Arbeiten des 17. Jhrh.

Teil B: Wissenschaftliches Runenstudium
7,Kap.: Allmähliche Wiederbelebung des rückflutenden Interesses
8.Kap.: Streit um die Helsingischen Runen
9.Kap.: Wiedererwachtes Interesse an der Runenforschung
10.Kap.: Streng wissenschaftliche Forschung
11.Kap.: Zusammenfassendes Ergebnis im allgemeinen und über die Arbeiten des 18. Jahrh. im besonderen

Anmerkungen
Literaturverzeichnis

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ルーン文字の研究を「ルーン学runology」という。近代ルーン学の祖は19世紀デンマークのロズヴィ・ヴィマー(1839-1920)である。ルーン学の最も重要な問題は、ルーン文字がいつ、どこで成立したかである。近代の場合、ギリシア説、エトルリア説、ローマ説、デンマーク説などが提起された。近年ではローマ世界とゲルマン世界の境の駐屯地という説が出されている。いってしまえばルーン文字の起源論争である。

しかし学問対象としてルーンを意識し始めたのは16世紀にさかのぼる。スウェーデンのヨハンネス・ブレウス(1568-1652)とデンマークのオーレ・ヴォーム(1588-1655)がその祖である。ヴォームはクンストカマーで名を知られたコペンハーゲン大の医学部教授。発生論が専門であったようであり、頭蓋骨に「ウォーム骨Wormian bones」を発見する。人体のみならず古物にも興味があり、デンマークの歴史や地史に始まり、デンマーク・ルーンの最初の研究である「Danicorum monumentorum libri sex」を刊行する。

近世ルーン学もまた起源論争である。ただし当時の起源論争は、ルーン文字がヘブライ語より古いかどうかをめぐるものであったことを銘記すべきである。それはつまりルーン文字を使うゴートの民が聖書より古い存在であったかどうかを意味する。ルーン文字は魔法の言葉とか本気で信じているナニがアレな方は、近世ルーンのほうが絶対面白いから、ラテン語を勉強して読め。ここにヴォームのテクストがあるから。

本書はそうした近世特有のナショナリズムを帯びた文字の起源論争を体現する近世ルーン学の概観。それも現代に至るまで刊行されたただひとつの概観である。簡単なものはこれにもこれにもあるが、著者たちは近世テクストをほとんど読んではいない。だからヤッフェの本は未だに基本文献である。日本の公共図書館ではヒットしないし今のところグーグルにもない。私の手元には古書市場で手に入れたぼろぼろのものがある。

絵のおっさんはオーレ・ヴォーム。ロスキレ聖堂に眠っている。


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