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公会議史 ニカイアから第二ヴァティカンまで [Early Middle Ages]


フーベルト・イェディン(梅津尚志・出崎澄男訳)
公会議史 ニカイアから第二ヴァティカンまで(キリスト教歴史叢書1)
南窓社 1986年 252頁

序 ヨゼフ・フィルハウス
旧版序 久保正幡

第一章 古代の八つの公会議
第二章 中世盛期の教皇主宰公会議
第三章 公会議は教皇の上位にあるか
第四章 信仰の分裂とトリエント公会議
第五章 第一ヴァティカン公会議
第六章 第二ヴァティカン公会議

あとがき
訳者あとがき
普遍公会議略年表
邦語文献目録
史料・参考文献の手引き
索引

Hubert Jedin
Kleine Konziliengeschichte.
Freiburg im Breisgau: Herder, 3 Aufl., 1981,

* * * * * * * * * *

普遍教会会議にせよ、地方教会会議にせよ、聖職者による会議で生み出される決議は教会法の法源となるため、不可欠の史料となる。8回にわたり東方世界で開催された古代から初期中世にかけての普遍教会会議と、それ以降の西方世界の中世のそれとは性格を大きく異にする。また中世の普遍教会会議といっても、世俗権力と緊密に連携した中世初期の会議、教皇権の充溢期であった中世盛期の会議、公会議主義の台頭してきた中世末期の会議では、政治史上にせよ、思想史上にせよ、教会法上にせよ、持つ意味に振幅があろう。一度は整理しておかねばならぬと思うが。北欧が普遍教会会議にどのように関わっていたのか調べた事はないが、なにか研究はあるのだろうか。中世末期の教皇との関係を論じた研究書はいくつかあるのだが。

フーベルト・イエディンはドイツ教会史学の大家。トリエント公会議に関するモノグラフがある。彼が編纂した教会史の地図集は至極便利。

公会議史にはもう一冊翻訳がある。
N・P・タナー(野谷啓二訳)『教会会議の歴史 ニカイア会議から第2バチカン公会議まで』(教文館 2003), 183+12頁

著者はイエズス会士。原著は、
Norman Tanner, The Council of the Church. A Short History. New York: The Crossroad Publishing, 2001.

だが、著者はアメリカ人であるにもかかわらず、1999年イタリア語で最初に出版されている。教皇関係の研究はイタリア語が優先されるというのだろうか。

公会議史のスタンダードとして、
Giuseppe Alberigo(hrsg.), Geschichte der Konzilien. Vom Nicaenum bis zum Vaticanum II. Wiesbaden: Fourier, 1998, 482 S.

アルベリーゴは公会議決議録の校訂版である、
Giuseppe Alberigo(cur.), Conciliorum Oecumenicorum Decreta. Basel: Herder, 1962, xxiii+792+72 p.

を編纂。上記タナーはその英語対象版である、
Norman Tanner(ed.), Decrees of the Ecumenical Councils. Georgetown UP, 1990, 2528 p.

公会議研究には専門誌もあり、
Annuarium historiae conciliorum: Internationale Zeitschrift für Konziliengeschichtsforschung. Paderborn 1969-

写真はニカエア信条を手にするコンスタンティヌス帝。


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