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Das Papsttum [Early Middle Ages]


Bernhard Schimmelpfennig
Das Papsttum. Von der Antike bis zur Renaissance.
Darmstadt: Wissenschaftliche Buchgesellschaft, 4 Aufl., 1996(org. 1984), ix+392 S.

Vorwort
I. Die römische Gemeinde vor Konstantin dem Großen
 1. Die apostolische und nachapostolische Zeit(bisu ca. 110/130 n. Chr.)
 2. Die frühkatholische Zeit(bis ca. 312/313)
II. Papsttum und Rom bis zum Tode Theodorichs(526)
III. Das Papsttum unter byzantinischer Herrschaft
 1. Das Papsttum bis Konstantin I.(715)
 2. Von Gregor II. bis zum Ende des Langobardenreiches(715-774)
IV. Das Papsttum unter karolingischer Herrschaft(774 bis 904)
V. Das Papsttum unter dem Einfluß des römischen Adels(904-1046)
VI. Das Papsttum während des sogenannten 'Investiturstreits'(1046-1123)
VII. Der Ausbau der päpstlichen Autorität(1124-1198)
VIII. Das Papsttum auf dem Höhenpunkt seiner Macht(1198 bis 1303)
IX. Das Papsttum in Avignon(1303-1378)
X. Schisma und Reform(1378-1447)
XI. Restauration und Renaissance(1447-1534)
Zusammenfassung und Ausblick

Auswahl-Bibliographie
  I.. Allgemeines
 II. Literatur zu den einzelnen Kapiteln
Ergänzungen zur Bibliographie
  I. Allgemeines
  II. Literatur zu den einzelnen Kapiteln
Verzeichnis der römischen Bischöfe und Päpste von Petrus bis zu Clemens VII.
Register

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現在スタンダードと思われる中世教皇・教皇庁史。従来あえて避けられていた教皇庁の社会経済史的な問題にもページを割いている。英訳も伊訳もある。著者はアウクスブルク大学教授で盛期中世の教皇儀礼等に詳しい。『教皇の身体』や「Micrologus」の編集で著名なアゴスティーノ・パラヴィチーニ・バリアーニと並ぶ中世教皇史の権威。両者とも紹介もしくは翻訳が望まれる。

 初期中世の教皇史は、レオ1世やグレゴリウス1世を除けば未開拓の地のように思える。叙任権闘争以降の教皇像が初期中世にも投影されがちであるが、古代末期は西方世界唯一の5大司教区、その後はランゴバルド・イタリアの一部、ビザンチン世界との接触、そしてカロリング国家との連携、いわゆる「コンスタンティヌスの寄進状」等の偽文書群の作成と、波乱といってよい経験を重ねてきた。その間にイデオロギー装置としての教皇書簡や公会議決議、コントロール・アイテムとしてのパッリウムと聖遺物、非キリスト教世界の開拓兵団としての修道士や宣教司教を巧みに用いた教会組織拡張政策を展開し、叙任権闘争以前にはすでに後の教皇庁国家の枠組みを固めつつあった。そして教皇庁の意思決定を左右する枢機卿団が姿を現しはじめたのが紀元千年前後である点は、ハンス・ワルター・クレーヴィッツやステファン・クットナーによる一連の論考が明らかにするところである。 

 グレゴロヴィウス、カスパー、ゼッペルト、ハラーのような教皇史の古典はともかく、初期中世に焦点を絞った教皇庁研究書は少ない。

Thomas F. X. Noble, The Republic of St Peter: The Birth of the Papal State, 680-825. Philadelphia 1984.
Id., Morbidity and vitality in the history of the early medieval papacy, Catholic historical review 81(1995), p. 505-40.

現在ケンブリッジ出版局から公刊されている「The Cambridge History of Christianity」は2巻から4巻までが中世をカヴァーし、初期中世を扱う2巻の編者の一人がノーブルであったように思う。中世該当部はいずれも未公刊であるが、近年の研究がどこまで進んだのかの一つの指標にはなるのかもしれない。

パラヴィチーニ・バリアーニが監修するヴィエッラ社の「corte dei papi」シリーズで予定にあがっている、
Claudio Azzara, Il papato e le stirpi barbariche fra tarda antichità e medioevo. Diplomazia e cristianizzazione.

は、著者がカロリング期教皇庁の専門家だけに、楽しみである。教皇研究はイタリアに膨大な蓄積があると思うが、私はその殆どをつかんでおらず、その概要をまとめてくれる人があればと思う。

教会史関係の事典はいくつかあるが、個人で引く場合には次の二つが便利。特にケリーの辞書は版を重ね、ペーパーであるから持ち運びも便利である。
Philippe Levillain(ed.), Dictionnaire historique de la papauté. Paris: Fayard, 1994, 1759 p.
J. N. D. Kelly, The Oxford Dictionary of Popes. Oxford: Oxford UP, 2006, 348 p.


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