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Die Macht des Silbers [Early Middle Ages]

Die Macht des Silbers.jpg
Egon Wamers
Die Macht des Silbers. Karolingische Schätze im Norden. Katalog zur Ausstellung im Archäologischen Museum Frankfurt und im Dom-Museum Hildesheim
Regensburg: Schnell Steiner 2005, 191 S.

Vorwort
- Silber in der Antike(Egon Wamers)
- Rohstoff der Macht - Silber in der Karolingerzeit(Egon Wamers)
- Insignien der Macht(Egon Wamers)
- Gold - Epiphanie des ´Göttlichen und weltliche Macht(Egon Wamers)
- Silber für den Gottesdienst(Egon Wamers)
- Lockruf des Silbers - Normannen im Fränkischen Reich(Torsten Capelle, Egon Wamers, Egge Knol)
- Der Silberschatz von Duesminde(Henrik Schilling)
- Imitatio Imperii- Silber verändert den Norden(Egon Wamers)
Literatur
Abbildungsnachweis

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展覧会のカタログ。本書は小著だが、概してドイツの展覧会カタログは立派。ここ最近のものでは、皇妃テオファヌの二巻本、カール大帝の三巻本、オットー大帝の二巻本、紀元千年の三巻本等が目立つ。企画から刊行まで3,4年はかけているのだろうが、それにしても立派。後々まで残るのだから、政府資金はこういうところに選択と集中をすればよい。本来こういったものを定価で買うのはばかげていて、展覧会が終わると、新古書店のようなところでたたき売りをしている。もっとも、そういった店はネット販売をやっているわけではないので、現地に行かない限り安価で入手はできない。

カロリング期に銀が権力の表徴になったという、まあ当たり前の理解なのだが、北欧、それもデンマーク南部の島嶼を扱っているという点で珍しい。フランクと北欧の関係を論じた研究は意外に少ない。ヴァルター・フォーゲルやホルゲル・アルプマンの古典以降、散発的に論文しか見たことがない。
Simon Coupland, "From poachers to gamekeepers: Scandinavian warlords and Carolingian kings." Early Medieval Europe 7(1998), pp. 85-114.

個人的に気になるのは、この銀に入手先である。三つ考えられる。一つはローマの遺産。もう一つはヨーロッパ内とくにドイツでの採掘。最後にイスラーム銀の流入である。モリス・ロンバールやスチューレ・ボリーンが口をすっぱくして主張するように、8世紀以降、大量のイスラーム銀がヨーロッパに流入している。それを鋳潰して再利用することは珍しくない。文献資料があるわけではないので直接的な証明は難しいが、本当は銀の精度分析をすればもっとわかってくることが多いのかもしれない。

編者はフランクフルトの美術館の人。しばしば立派なカタログをつくるので、よく名前を見る。もともとヴァイキングの美術で学位をとっていたように思う。



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