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Die Zeit der Staufer [Arts & Industry]

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Reiner Haussherr
Die Zeit der Staufer. Geschichte - Kunst -Kultur, 5 Bde.
Stuttgart 1977-79

Bd.1: Katalog
Bd.2: Abbildung
Bd.3: Aufsätze
Bd.4: Karten und Stammtafel
Bd.5: Vorträge und Forschungen

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合計2500ページを越えるカタログ『シュタウフェン朝の時代』は、ドイツの展覧会カタログ史上、もっとも注目すべきもののひとつである。1977年3月26日から6月5日にかけてシュトゥットゥガルトのビュルテンベルク州立博物館で開催されたこの展覧会は、合計70万人以上が訪れ、30万以上カタログが売れたという。私は展覧会の歴史に詳しいものではないが、中世を対象としたマニアックな展覧会として、これは恐るべき数値ではないだろうか。現在シュタウフェン朝研究の第一人者であるクヌート・ゲーリヒは、その数値に、ドイツ史上偉大なる時代であったシュタウフェン朝への郷愁意識を読み取る。

全五巻のうち、狭い意味でのカタログは、第1巻と第2巻だけである。第3巻と第5巻は論集、第4巻は地図と系図である。とりわけ重要なのは第4巻であろうか。シュタウフェン朝歴代皇帝の巡幸地一覧と証書受給者一覧が多数の折込地図によって視覚化されている。ただひとりフリードリヒ2世に関してのみ、証書受給者一覧がないが、それはこのカタログ作成の時点で、証書の編纂が終わっていなかったからであろう。

ドイツでおこなわれる展覧会は徹底している。準備に三年も四年もかけ、莫大な資金とマンパワーが投下される。その結果としてのカタログは、ただの展示物集成ではなく、最新の成果が記述された研究書でもある。近年で言えば、『言葉の力 ヨーロッパを通じてみたベネディクト修道制』2巻、『神聖ローマ帝国』2巻、『オットー大帝、マクデブルク、ヨーロッパ』2巻、『紀元千年のヨーロッパ中央』3巻、『799年 カロリング時代の芸術と文化』3巻、『皇妃テオファヌ』2巻などが目を引く。このような歴史展覧会のカタログについて論じられたことはほとんどないと思うが、見返すに、非常に重要な出版物であるとつくづく感じている。だから個人的に集めているのだが。中世の展覧会に関するカタログのカタログを作ることができればなあと思う。

30万部以上はけたと言われる『シュタウフェン朝の時代』は、その発行部数ゆえにドイツの古本市場にあふれている。私はフルセットのものを購入したが、日本円にして4000円程度であった。送料のほうが高くついた。


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