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アッシジのフランチェスコ 一人の人間の生涯 [Medieval Spirituality]


キアラ・フルゴーニ(三森のぞみ訳)
アッシジのフランチェスコ 一人の人間の生涯
白水社 2004年 266頁

序文 ジャック・ル・ゴフ

アッシジのフランチェスコ ひとりの人間の生涯
第一章 幼年期と青年期
第二章 決別
第三章 これこそ私の望みだ! これこそ私の求めていることだ!
第四章 仲間、会則、キアーラ
第五章 ダミエッタとグレッチョ
第六章 聖痕 それは真の発見か、聖なる物語か、それとも大胆な発明なのか
第七章 別れ

アッシジのフランチェスコ年譜
参考文献
フランチェスコ史料について
訳者あとがき

Chiara Frugoni(1940-)
Vita di un uomo : Francesco d'Assisi.
Torino: Einaudi, 1995,

* * * * * * * * * *

キアーラという名ゆえにフランチェスコに引き寄せられたのか。

イエスほどではないにせよ、弟子たちの語りによって増幅された聖者の生きる姿を捉える事はなかなか難しい。

フランチェスコの伝記はいくつかある。
P・サバティエ(中山昌樹訳)『アシジのフランチェスコ』(洛陽社 1915)
O・エングルベール(平井篤子訳)『アシジの聖フランシスコ』(創文社 1969)

フランチェスコをめぐるテクストとして、

M・ハービック編/石井健吾訳『アシジのフランシスコの小さき花』(フランシスコ会叢書7)2巻(フランシスコ会日本殉教者管区本部 1981 聖母文庫 1994-95)
永野藤夫訳『聖フランシスコの小さき花』(講談社 1986 サンパウロ 2002)
田辺保訳『聖フランチェスコの小さな花』(教文館 1987)

庄司篤・浜村富哉訳『アシジのフランチェスコの小作品集』(フランシスコ会叢書4)(フランシスコ会日本殉教者管区本部 1974)
小さき兄弟会監修/佐藤翔子・渡辺義行訳『フランシスコと共にいた 私たちは―レオネ、ルフィーノ、アンジェロ兄弟たちの報告記』(あかし書房 1985)
小高毅監修/八巻穎男訳『三人の伴侶の表せる聖フランシスコの伝』(警醒社書店 1925 光明社 1995)

久保正夫訳『聖フランシスコの完全の鏡』(新潮社 1919)
黒田正利訳『聖フランチェスコ・完全の鏡、聖貧礼賛』(中外出版 1924)
吉本一良訳『聖フランチェスコ傳及完全の鏡』(新生堂 1930)
吉本一良訳『聖フランチェスコ完全の鏡』(新生堂 1936)
黒田正利訳『フランチェスコ聖者の鏡』(日本評論社 1948)

小高毅監修/伊能哲大訳『パドヴァの聖アントニオ 伝記と説教』(光明社 1995)
チェラーノのトマス(石井健吾訳)『聖フランシスコの第一伝記』(あかし書房 1989)
チェラーノのトマス(小平正寿・F・ドンゲ訳)『聖フランシスコの第二伝記』(あかし書房 1992)
ボナベントゥラ(聖フランシスコ会監修/宮沢邦子訳)『聖ボナベントゥラによるアシジの聖フランシスコ大伝記』(あかし書房 1981)

フランシスコ会では長年ボナベントゥラの大伝記が正伝として理解されていたようである。中世末期にいくつかのセクトに分裂するフランシスコ会を、組織社会学的に見ていけば面白いようにも思う。開祖の伝記の諸ヴァージョンは各セクトにとってどのような意味を持っていたのだろうか。

フランチェスコ関係の史料は、

S. Brufani & E. Menestò(cur.), Fontes franciscani(Medioevo francescano, Testi 2). Assisi: Porziuncola, 1995, xv+2581  p.

に収められているようであるが、一冊で2600頁…。この資料集への導入として、

Stefano Brufani, Fontes franciscani : introduzioni critiche. Assis: Porziuncola, 1997, x+341 p. 

フランチェスコといえば「聖痕」であり、本書の6章でも論じられているが、芸術作品にとっても重要である。コンスタブルの本でも多くページを割いていた。

佐々木英也『聖痕刻印 ジョットの後期壁画を巡って』(中央公論美術出版 1993)

この中央公論美術出版、個人で購入できる価格設定にしてくれないだろうか。


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