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Reallexikon der Germanischen Altertumskunde, 2 Aufl. [Reference & Dictionary]


Heinrich Beck, Herbert Jankuhn, Hans Kuhn, Kurt Ranke, Reinhard Wenskus(hrsg.)
Reallexikon der Germanischen Altertumskunde. 2 Auflage
Berlin: Walter de Gruyter, 1973-, circa 34 vols.

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ようやく32巻まで来た。来年中には完結するだろう。

北欧史のみならず、初期中世史にとって最も重要な事典。各巻600頁を越え、それが34巻。ゲルマン古学のありとあらゆることが取り上げられている。執筆内容、図版、ビブリオいずれも充実し、この事典にしかない情報も多くある。項目は全て独語か英語で書かれており、知らないことばかりで、読むだけで愉しい。個人で買うことはほぼ不可能な値段設定(1冊5万)だが、「Lexikon des Mittelalters」がそうであったように、全巻がそろったあとにCDロム・バージョンや廉価版が出るかもしれない。いや、そうあってほしい。

初版はゲルマニストであるヨハンネス・ホープス(1865-1949)によって、1911年から19年にかけて全4巻で公刊された。北欧学界はこれにいたく刺激され、同様の趣旨の北欧版を準備しはじめた。その結果が「Nordisk Kultur」全30巻(1931-56)である。しかし当初の計画とは異なり、この叢書はホープスの事典のような項目形式をとることはなかった。仕切りなおして編集されたのが、北欧中世学にとってやはり不可欠となる「Kulturhistorisk leksikon for nordisk middelalder」全22巻(1956-78)である。この興味深い経緯は次の論文で公開されている。
G. Nora, Kulturhistorisk leksikon for nordisk middelalder, Nordisk Tidskrift 52(1976), s. 1-12.

ホームページもよい。サンプル・ページや全収録項目の目次等、至れり尽くせりである。項目のうち「ゲルマン概念」と「フィブラ」というゲルマン学にとって二つの最基本テーマに関しては、「Studienausgabe」として別冊が出ている。
Germanen, Germania, Germanische Altertumskunde. Nachdruck. des Artikels aus Band 11(1998) Mit einem Vorwort von Heinrich Beck. Berlin: Walter de Gruyter, 1998, xi+258 S
Fibel und Fibeltracht. Nachdruck des Artikels aus Band 8(1994). Berlin: Walter de Gruyter, 2000, vi+196 S.

本編に増して重要なのはその「補足版」。ゲルマン学にかかわる様々なテーマを扱っている。特に固有名詞学やルーン学に強く、従って初期北欧史には必読文献が多い。が、本編と同様、個人には厳しい値段設定である。私も古本以外で購入したことはない。


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