From Pictland to Alba 789-1070

Alex Woolf
From Pictland to Alba 789-1070（The New Edinburgh History of Scotland 2）
Edinburgh: Edinburgh UP 2007, xv+384 p.

Maps and genealogical tables
Acknowledgements
General editor's preface
Note on spelling and pronunciation

Introduction land and people: Northern Britain in the eighth century
PART 1: Events（789-1070）
Ch 1: The coming of the Vikings
Ch 2: The Scaldingi and the transformation of Northumbria
Ch 3: Last days of the Pictish kingdom（839-89）
Ch 4: The grandsons of Cinaed and the grandsons of Imar
Ch 5: The later tenth century: A turmoil of warring princes
Ch 6: The fall of the house of Alpin and the Moray question
PART 2: PROCESS
Ch 7: Scandinavian Scotland
Ch 8: Pictavia to Albania

Table of events
Guide to further reading
The principal medieval chronicles used in this volume
Bibliography
Index

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注文したことすら忘れていた本だが、突然届いた。

スコットランドの初期中世史など、海域史という観点からすれば、半分はヴァイキングの歴史である。年代記を紐解けばヴァイキングに辟易する記述ばっかりである。これはアイルランドも同じ。イングランド史からスコットランドの地域史に関心を持った人は、たいていイングランド王権との関係史に落ち着くが、それでは片手落ちである。９世紀以降オークニー諸島からアイリッシュ海は「ヴァイキングの海」なのだし、彼らもまた王国や植民地をあちこちにつくった。イングランドとスカンディナヴィア、この二つの流れを押さえるのがスコットランドの初期中世史のキモであろう。

この地域の研究では、ベンジャミン・ハドソンというオタッキーな方がアメリカにいらっしゃるのだが、より大きな枠組みをということになると、地元アンドルーズ大学のウルフに軍配が上がる。前者が外部との関係を重視するのに対し、後者は究極的には内的発展に立ち返る。論文を読んでもそんな感じ。本書は、そのウルフの研究の集大成といったところ。私は必要になったら精読しようと思う。

この時代に関して、日本語で読めるものは多分ない。初期スカンディナヴィア史と一緒で、地元の文献史料はなく、イングランドのような外部の記述があるのみ。こういう地域を卒論や修論の研究対象とした人は、史料も文献も入手できず、できたとしても要求されるその操作技術が高度なので、あまりの敷居の高さに絶望する。いないと思うけど。西洋中世史なら、やはり英独仏伊世を選択するのが、懸命である。私が指導教員でそう指導する。端っこをやりたいんだったら、留学して現地の研究者の指導を仰ぐか、日本でもっと手堅い地域の研究で博士号を取得して、それからやるべきである。好きというだけではどうにもならない、労多くして報われない世界もある。

本書が収められたシリーズは、大変男らしい。なにがかと言うと、この「新エジンバラ大学版スコットランド史」全10巻のうち６巻までが中世である点である。近年はシリーズものというと近現代史だの民族の混交に重点が置かれるようになったが、そんなことを全く考えていない。おれたちの栄光は中世にありといった感じである。もっとやれ。

ラー油の残った袋を放置していたら、すごい数のありんこが群がっていた。行列ができていたのでたどっていくと、となりの部屋の畳の角から床下にもぐっていた。こんな液体を巣まで運ぶのだろうか。ラー油を棄てると、ありんこたちは三時間くらいで跡形もなく消えてしまった。