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The Oxford Companion to Scottish History [Reference & Dictionary]


Michael Lynch(ed.)
The Oxford Companion to Scottish History.
Oxford: Oxford UP, 2001, 732 p.

Preface
Acknowledgements
List of Editors and Contributors
Classified Contents
List of Abbreviations
Note to the Reader

The Oxford Companion to Scottish History

Glossary
Chronology
Maps
Genealogies
Guide to Further Reading
Index

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ケンブリッジにせよオックスフォードにせよ、英国はこのようなタイプのハンドブックを次々と生み出す。出そうという機運が研究者の側にあるのか、それとも出版者の側にあるのかよく分からないが、いずれにせよありがたい。たいてい数年の遅れはあるが、廉価なペーパーバック版が出るのもありがたい。数千円で手に入るのだが、これが仮に日本語訳されると数万円になる。不思議な現象である。

本書と同時に同じシリーズのアイルランド版も購入した。
S. J. Connolly(ed.), The Oxford Companion to Irish History. Oxford: Oxford UP, 2 ed., 2002(1 ed. 1998), 650 p.

文献目録や図表という点ではスコットランドに軍配が上がる。またスコットランドには、北欧との関係史という項目が設けられていたのもよかった。

 その逆はともかく、スコットランドは北欧にとって重要な地域である。ノルウェー人はスコットランド周辺に次々とコロニーを築いた。特に北方諸島と西方諸島は島という地理的特性ゆえに、操船技術に卓抜する側にとって絶好の拠点である。史料の貧しさはいかんともしがたいが、アルバとの関係をしっかり論じた研究が出てきても良い頃である。一番スタンダードなのは、
Barbar E. Crawford, Scandinavian Scotland(Studies in the Early History of Britain). London: Leicester UP, 1987, 274 p.

Edinburgh UPの頁を見ると、
Alex Woolf, From Pictland to Alba Scotland, 789-1070. Edinburgh: Edinburgh UP, 2007.

があがっている。これだけでは論文集なのか通史なのか分からない。ここを見ると著者は現在セント・アンドルーズ大学の講師。発表された文献を見る限り、視野は広そうである。

ほとんど地名学の成果であるが、クローフォードの通史を補完するものとして、
Barbar E. Crawford, Scandinavian Settlement in Northern Britain(Studies in the Early History of Britain). London: Leicester UP, 1995, 248 p.

クローフォードは既にセント・アンドルーズ大学の名誉教授になっていたと思うが、彼女のヴァイキングに対する見方を纏めたものとして、
Barbar E. Crawford, The Vikings, in Wendy Davies(ed.), From the Vikings to the Normans(Short Oxford History of The British Isles). Oxford: Oxford UP, 2003, p. 40-71.

ブリテン周辺地域の歴史を読んでいて一番困るのは人名と地名である。自分が馴染んでいたのはせいぜいイングランド史ということを痛感する。
ロザリンド・ミチスン(富田理恵・家入葉子訳)『スコットランド史 その意義と可能性』(未来社 1998), 257頁
富田理恵『世界歴史の旅 スコットランド』(山川出版社 2002), 124頁
佐藤猛郎・岩田託子・富田理恵『図説スコットランド』(河出書房 2005), 128頁

下の二つは写真も多く、イメージもしやすい。

大学生協にいくと、すごい本が並んでいた。日本のスコットランド学は相当なレヴェルと見える。
木村正俊・中尾正史編『スコットランド文化事典』(原書房 2006), 1200頁

もちろん個人では買えませんがね。


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